古くは品物を贈るか、取り交わしましたが、現在は一部に品物を添えるものの、金子(現金)にてすませるようになりました。ひとつひとつの品物には、水引き細工の鶴・亀・松・竹・梅などの飾りを付けて贈ります。どの品物や飾りにも、末長い幸せや長寿を願う古来からの意味があるので、ぜひ覚えておきましょう。祝い事ですので、基本的には品数は奇数を選びます。基本の5品目から7品目、9品目、11品目、13品目と必要に応じて自由に増やすことができます。ここでは、関西の結納で一般的な9品目の場合を紹介いたします。
●熨斗(のし)/鶴飾り
熨斗(のし)/鶴飾り 本来はアワビを薄く延ばした「あわびのし」を使用。古来、アワビは最高級の珍味として最も格の高い贈り物でした。熨斗の上には鶴と打出の小槌を飾ります。「鶴は千年」といわれるように、鶴は長寿、幸せの象徴。小槌でその幸せが飛んでいかないように押さえます。
●末廣(すえひろ)/亀飾り
末廣(すえひろ)/亀飾り 末廣とは儀礼用に使う扇子のこと。先に行くほど広くなる扇子の形から、末広がりのますますの繁栄を祈る意味があります。末廣の上には亀を飾ります。また、鶴とともに「亀は万年」といわれる長寿の象徴でもありますが、夫婦の和合を願う意味もあります。
●帯地料(おびぢりょう)/松飾り
帯地料(おびぢりょう)/松飾り 結納金を入れます。昭和20年ごろまでは花嫁衣装や留袖、帯などの品物を贈った名残りで、帯地料と呼びます。松の飾りは、松は年中変わらぬ緑を保つことから、永遠に変わらぬ気持ちや、永く栄えることを願っています。
●柳樽料(やなぎだるりょう)/竹飾り
柳樽料(やなぎだるりょう)/竹飾り 本来は「柳樽」という塗りの樽に、酒を入れて祝い事の席へ持参しました。現在の結納ではお金で贈ることが一般的です。竹はまっすぐに成長し、しなやかな弾力があり、ちょっとやそっとでは折れにくいことから、潔白、節度といった意味を象徴しています。
●松魚料(まつうおりょう)/梅飾り
松魚料(まつうおりょう)/梅飾り 昔は酒の肴を持参しましたが、現在はお金で贈ることが一般的です。梅の飾りには、梅が冬の寒さに耐えて、美しい花を咲かせ、実を結ぶことから、忍耐と幸せな家庭の行く末を願うという意味があります。
●結美和(ゆびわ)
結美和(ゆびわ) 戦後、エンゲージリング(婚約指輪)を贈る欧米の習慣が日本にも広がり、指輪を結納品に添えることが、昭和40年ごろから一般化しました。基本の結納5点に、指輪と高砂人形で7点にする場合も多く見られます。婚約指輪に選ぶ指輪はダイヤモンドが主流のようです。
●高砂(たかさご)
高砂(たかさご) 祝言や祝儀に欠かせない能の小謡「高砂」に由来したもので、白髪の老夫婦の人形には、「ともに白髪になるまで仲良く添いとげられるように」という願いが込められています。結納の後も、部屋や玄関などにインテリアとして飾ることができるので人気があります。
●寿留女(するめ)
寿留女(するめ) するめは日持ちがよく、保存食や酒肴品として昔から珍重されました。昔は多くのするめや昆布を贈り、贈られた側は親類縁者にも配って喜びを分かち合ったとか。噛めば噛むほどに味が出ておいしくなるので、「このような嫁になってください」という意味もあります。
●子生婦(こんぶ)
子生婦(こんぶ) 昆布は「よろこぶ」の語呂合わせから、古来から祝い事に欠かせないものです。するめと共に、酒の肴や保存食として昔から珍重されました。また、「立派な子供を産んでよいお母さんに」という願いを込めて「子生婦」という字が当てられています。

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